近年の国家試験合格率の推移
実は第30回歯科衛生士国家試験の合格最低点は3点下がりました。またこれまで新卒の合格率はそこまで下がらなかったのが、直近15年で最低の95.1%になりました。
既卒者で注意する点は、2点あります。
1点目は既卒になると合格率は約50%に急減します。
2点目は、一度国家試験を不合格になったものの再受験率は70%台に落ち込みます。
すなわち一度学校を卒業していまうと、再受験を辞退する学生も含めると、既卒者の合格率は30%ほどになります。これは2部制などで1学年の在校生が100名以上の専門学校で傾向が顕著です。
現役生で合格できなければ、卒業した学生は殆どの確率で歯科衛生士国家取得は難しくなるのが現状です。
歯科医師国家試験問題との連動性
国家試験には出題基準があり、この本の項目から出題されます。また出題基準には厚生労働省が要求する歯科衛生士像も記載されています。実はこの文言は歯科医師国家試験の出題基準と同じなのです。ここ数年、歯科医師国家試験に出題された内容が2年後に歯科衛生士国家試験にも出題されます。目指す歯科医療像を歯科衛生士を目指す学生に噛み砕いて説明できることが重要です。
2022年度は出題基準の改訂
次年度の第32回歯科衛生士国家試験から5年に1度の出題基準の改定年になります。いままでよりどの内容が拡充され、国の目指す歯科衛生士像を予測することが鍵になるかと思います。
これに対応できずに合格率が下がる専門学校の増加が予想されます。
オープンキャンパスではどのように国家試験対策をしているのかを聞くことも忘れないでください。